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Vol.068 / 食と健康の基礎知識
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Vol.068 / 食と健康の基礎知識
以前
でもお伝えしましたが、「健康とは、肉体的、精神的並びに社会的に完全に良好な状態にある事であり、単に病気や虚弱でないことにとどまるものではない」というWHOの定義があります。とはいえ、肉体が病んだり衰えたりすれば、精神的や社会的な健康も脅かされてしまいますね。
健康の秘訣は「快食・快眠・快便」であると、昔、テレビのCMでやっていましたが、まさしくそのとおり。中でも「快食」はとても重要です。人は食べ物を食べることで体を維持し、成長させています。細胞は常に生まれては死ぬことを繰り返し、新しい細胞に入れ替わり続けています。それは、「死」が訪れる日まで続きます。新しい細胞を作るには、新しい栄養が必要です。私たち人間は、それを食物から得ています。つまり、健康には「食」が何よりも大切になってきます。
「飽食の時代」といわれて久しい昨今、多くの食べ物が毎日廃棄されています。にもかかわらず、私たちの食生活は貧しいものになっていないでしょうか? 面倒だから、と添加物たっぷりの加工食品ばかり食べていませんか? 肉食、あるいは炭水化物中心の食事になっていませんか? または、ダイエットや食費の節約のため、極端に食事を減らしたりしていないでしょうか? こういった食生活を続けていると、栄養が偏ってしまって消化や代謝に関する酵素がうまく作れなくなり、栄養素の消化吸収が鈍ってしまいます。そして、未消化の動物性たんぱく質がそのまま吸収されて血液に入ってくると、血液がにごり、生活習慣病の元になってしまいます。代謝が悪くなることで、太りやすい体質(遺伝性のものを除く)や冷え性・低体温、肩こりや腰痛、頭痛などの不定愁訴も招きます。
「食」をおろそかにしていると、心の健康も損なってしまいます。心は脳が作り出すもの。脳に十分な栄養がいきわたっていないと、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内物質が正しく作られなくなり、脳が誤作動を起こします。「心の風邪」といわれるうつ病は、脳内物質のひとつであるセロトニンの不足によって発症するといわれています。つまり、心の病も栄養素が不足することで発症する可能性が高くなるのです。
脳の一番のエネルギー源は糖質ですが、これらの脳内物質を作り出すにはたんぱく質やビタミン・ミネラルも欠かせません。脳は、エネルギー不足を起こしたら「糖質が足りない!」と訴えます。ストレスを感じたときや疲れたときに甘いものが食べたくなるのはそのためです。ところが、エネルギーとして糖質を脳に届けるには、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不可欠。実際に不足しているのがこれらであったら、糖質を摂った分だけ脂肪として蓄えられて太り、脳は常にエネルギー不足を起こしているという悪循環になってしまいます。
もちろん、健康はさまざまな要因が満たされてはじめて得られるものであり、「食」だけで作られるわけではありませんが、「食」は心身の健康にとって、とても重要なポジションを占めています。不安定な世相の中、ストレスはたまり、忙しさは増し、また経済的な理由もあいまって食がおろそかになりがちではありますが、ほんの少し意識を「食」に向けてみてください。外食が中心の方などは1食ごとにバランスよく食べようと思うと無理があるので、朝には野菜や果物を中心に、昼は貝類や海藻類などでミネラルを摂ることを意識して、夜はたんぱく質をしっかり摂る、という風に考えてみてはいかがでしょう? そして、不足しているなと感じた栄養素は、サプリメントで補いましょう。そういった積み重ねが、何年何十年先の健康へとつながるのだと思います。
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